金属フタロシアニン誘導体溶液を用いた消臭装置の検討 : 金属フタロシアニン誘導体の空中への飛散の有無の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
〔目的〕医療施設のみならず,介護・福祉の場面においても臭気対策は隠れた課題であり,種々の臭気法が試されてきた.しかしながら,そのいずれも期待された効果を発揮し得ていない.われわれはこれまで,金属フタロシアニン誘導体をさまざまな布帛に担持させ,臭気の発生源(ヒト,患部など)を被覆,あるいは壁紙,カーテン,布団カバーなどに使用し,著しい消臭効果があることを確認し本会でも発表したが,さらに,金属フタロシアニン誘導体を含む溶液を持続的に含浸させたゼオライトの中を室内の空気を通す装置を開発し,能動的な室内空間の消臭効果について検討し,非常に効果のあることを確認した.この際,一般に噴霧法と言われ消臭剤を噴霧する場合の問題点として,噴霧された消臭剤が人体(殊に気道内)に侵入することが指摘されており,本装置でも金属フタロシアニン誘導体の溶液が1ヵ月に20L消費されることから,その飛散(噴霧)が起こっていないことを確認するために,本装置からの金属フタロシアニン誘導体の飛散の有無について検討を行ったので報告する.〔方法〕装置より排出される空気を,100Lのプラステック製の袋の中を通して6時間作動させ,この際に袋の内側に結露した液体を採取し,液体クロマトグラフィにより金属フタロシアニン誘導体の有無を確認した.また,吹き出し口の前面に濾紙を置き24時間後に着色の有無をみた.〔結果〕いずれの方法においても,金属フタロシアニン誘導体は検出されなかった.〔結語〕本装置の消臭効果は,ゼオライトの中を通過する間に空気内の臭気物質が金属フタロシアニン誘導体の酵素反応によって無臭化されることによるもので,酵素成分の空間内への飛散によるものでないことが確認された.
- 2003-04-01
著者
-
加見谷 将人
高梁中央病院
-
細野 貢一
エムエス
-
高島 征助
岡山大学 大学院医歯学総合研究1科
-
高島 征助
岡山大地域共同研究センター
-
加見谷 将人
岡山大医学部附属病院中央材料部
-
加見谷 将人
岡山大学医学部附属病院 手術部
関連論文
- 136.疼痛部の近傍の皮膚表面に放出される活性酸素種の測定方法の開発(一般演題講演集,第83回日本医療機器学会大会)
- 136 疼痛部の近傍の皮膚表面に放出される活性酸素種の測定方法の開発(検査機器,医療機器の安全を支える人と情報技術-あすの病院経営・企業経営を探る-,第83回日本医療機器学会大会)
- 49.「筋肉組織中の疼痛関連物質と消炎剤の効果の相関関係(第82回 日本医科器械学会大会 一般演題講演集)
- 49 経皮治療剤の吸収挙動に関する基礎的検討(検査・医療器材, 第82回日本医科器械学会大会)
- 52.ヒトの皮膚の表面から放出される窒素酸化物の簡易測定法の開発(第81回 日本医科器械学会大会 一般演題講演集)
- 52 ヒトの皮膚の表面から放出される窒素酸化物の簡易測定方法の開発(一般演題,開発機器ほか,第81回日本医科器械学会大会)
- 79. 活性酸素種の不活性化方法 : in vitro試験による1重項酸素の不活性化(第80回 日本医科器械学会大会 一般演題講演集)
- 78. ヒトの皮膚の表面から放出される酸化窒素の簡易測定法(第80回 日本医科器械学会大会 一般演題講演集)
- 皮膚の表面から放出されるスーパーオキサイドの簡易測定法の開発
- 79 活性酸素種の不活性化方法 : in vitro試験による1重項酸素の不活性化(検査・モニタリング1)