医療現場におけるパソコン(一般家電品)の電気的安全性に関する検討

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〔はじめに〕近年,IT化の普及に伴い医療現場においてもパソコンが多く導入されている.しかし,医療現場や患者近傍に持ち込まれる電気機器には,漏れ電流等の厳しい規制があり,安易に持ち込むことができない.今回,手術室総合支援システム導入のため各手術室内にパソコンを可動式専用筐体内設置状態で設置した.これを期に,医療用機器以外である市販パソコンの電気的安全性の検討項目として漏れ電流を測定したので報告する.〔対象および方法〕対象は市販パソコン6社6機種で,LCD,CRTの各々をディスプレイとして使用した場合について,JIS T0601-1に準じた接地漏れ電流をリークカレントハイテスター3155【○!R】(HIOKI社製)を用い測定した.また,同時にアイソレーショントランス(日本光電社製:以下IST)使用の有無による,漏れ電流を測定し比較検討した.〔結果〕すべてにおいて単一故障状態,正常状態ともに許容値以下であった.漏れ電流の最大値は,CRTを使用したA社パソコンにおいて,正常状態で322.8μA,単一故障状態では448.3μAを示した,また,ISTを使用することで,正常状態で108.1μAから6.97μAに,単一故障状態では223.8μAから22.78μAに低下した.〔考察〕今回,市販パソコンの漏れ電流を測定したが,すべてJIS規格を満たしていた.しかし,手術室,心カテ室等,高度な電気的安全性が要求される場所で使用する際はアイソレーショントランスの使用が妥当と考えた.〔まとめ〕測定対象とした機器全てにおいて許容値以下であったが,電気的安全性等適切な運用を考慮すれば,追加保護手段としてアイソレーショントランスの使用が望まれる.
日本医療機器学会の論文
2003-04-01

医療現場におけるパソコン(一般家電品)の電気的安全性に関する検討

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