中央材料室の業務改善と安全性の提供を目指して

概要

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〔はじめに〕中央材料室(以下中材)は,医療現場で使用される医療材料の再生および滅菌を行うことを業務とする部署である.従来,ガーゼ・綿球・布製品などの滅菌包装形態に金属製丸型カスト(以下カスト)を使用していた比率は大きかった.しかし,カストの取り扱いについては,処理時間や限られた個数量,滅菌物の安全の保証と保管スペース,滅菌期限や未使用材料の無駄など問題も多く改善を必要とした.今回,医療現場への安全性を目指すとともに,カスト廃止に向けての業務改善と滅菌物の管理について検討したので報告する.〔目的〕(1)カストの問題を明らかにし,廃止に向けての業務改善を図る.(2)滅菌医療材料の適正使用について考える.〔方法〕1998年から2002年の過去5年間における,カストの動向と業務改善の効果を比較する.〔結果および考察〕カストの種類は,大・中・小の3種類を使用し,ガーゼ類が主流であり,一部帽子マスクが含まれていた.カストによる滅菌物の払い出しは,限られた個数の中で毎日中材に返却される一時期に,大量の処理時間と人員を必要とする.滅菌有効期限も短く,一度開閉した物は長期間の使用ができず無駄を生じる.最後まで滅菌状態が保証できず,感染の危険性にさらされるなど多くの問題をかかえていた.その中で,年間払い出し状況は,1998年大カスト15,839個・中19,369個・小15,031個であった.しかし,このガーゼ類に関しては1997年から一部パックを導入し展開を始めていたため, 2000年6月より大カストの廃止に踏み切った.2002年には大カスト537個と5年間で97%の激減であり,加えて中カストは1,681個91%減,また小カストは1,488個90%減であった.その間処置行為に必要な滅菌物のパック化を進め,現在一部の部署を除いてパック化が可能となった.
日本医療機器学会の論文
2003-04-01

中央材料室の業務改善と安全性の提供を目指して

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