エチレンオキサイドガス滅菌の現状と課題

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〔はじめに〕当院,中央材料室(以下,中材)の業務は,医材の再生およひ供給の他,回収業務・手術器械の組み立てなど多岐に至っている.中でも滅菌業務は,常に質保証を厳しく評価し,安全管理を徹底しなければならない.中材では,加熱処理ができない医材については,エチレンオキサイドガス(以下,EOG)滅菌を行っている.2001年,「EOGは,発ガン性を有するため取り扱いを規制する」という厚生労働省の情報を基に,現場スタッフに対して,EOGの特徴や危険性について発信していた.同時にEOG滅菌の適正についても評価を始め,徐々に滅菌医材を規制している.今回,EOG滅菌の現状と安全管理について検討したので報告する.〔目的〕(1)EOG滅菌の現状を明らかにし,必要性を評価する.(2)患者および作業者の安全性について考える.〔方法〕2001年1月と2002年1月の滅菌医材を,感染リスクレベルにより分類し評価する.〔結果・考察〕中材には,毎日院内48部署から,多種多様の医材がEOG滅菌依頼されている.しかし,その適正については医療現場の要望に左右される傾向があった.2001年1月では,低リスク医材が全体の32%であった.これは,酸素吸入マスク・経鼻カニューレなど洗浄・消毒レベルでの使用が適切である医材や特殊病棟患者の生活用品すべてを滅菌していたためである.そこで,現場指導により規制したことで2002年には1%へと減少することが可能となった.中リスク医材は,呼吸器回路とその部品がほとんどであった.これらは,EOG滅菌の必要性はなく,今後見直しが必要である.医療現場は,患者に使用する医材は,滅菌しなければならないという意識が強く安易に滅菌依頼していると思われた.EOGの危険が患者や作業者に及ぶことのないよう今後も指導・教育を継続していきたい.
日本医療機器学会の論文
2003-04-01

エチレンオキサイドガス滅菌の現状と課題

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