簡易動脈圧波形発生装置とコロトコフ音発生モデルの構築
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概要
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DCモータ駆動の定流量ポンプ(簡易揚水ポンプ)を電流制御し,この出力流量をリーザーバで受けることによって,弁を用いないで擬似動脈圧波形を得ることができた.血管を摸擬した細長いゴム風船を水中に張った容器を作成し,この容器の水面に外部から空気圧をかけることによって,間接血圧測定時の「上腕とカフ」をモデル化(モデル腕)した.このモデルに擬似動脈圧波形を入力し,その末梢ゴム管上で発生する音をマイクロホンで観測したところ,通常の間接血圧測定法で聞かれるコロトコフ音とほぼ同様な音を観測・記録することができた.また,モデル腕の前後で,内圧を圧力トランスデューサで測定した.このモデルを使って,通常の間接血圧測定法に則って決定した最高圧,最低圧は,今回作成したモデル腕の上流で観測した血圧力波形から求めた最高圧,最低圧と一致した.また,モデル腕末梢のゴム管内のに力は,コロトコフ音が発生する時には,急峻な立ち上がりのある波形を呈した.以上のことより,コロトコフ音の発生機構を「カフ圧より高い動脈圧の到達によって,カフ化の血管は急に開放し,カフ末梢血管内圧を,パルス状に立ち上げ,その結果,上部の皮膚が急激に持ち上がって,皮膚上にある聴診器等の音響系で音として観測される」と結論付けた.今後,このモデルを元に,様々な間接血圧測定法の妥当性の検討,および検定法(試験法)を開発する予定である.
- 2003-04-01
著者
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