喘息患者の9年間にわたる気道過敏性試験の初診時の閾値の推移の検討

概要

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我々は当院外来受診の喘息患者にアセチルコリンの気道過敏性試験を初診時に実施しているが, 近年閾値が高くなっている印象がある. その点についての確認を行った. 1983, 85, 87, 91年に検査を実施した男性578, 女性680名について閾値を検討した. 結果は, 1) 9年間でアセチルコリン閾値は高くなり, 20から59歳の年齢にこのような傾向があった. 2) 20から59歳の年齢群にこのような傾向があるので閾値に影響を及ぼすと思われる因子の検討をしたが, 好酸球数%, 臨床的重症度は各年度で顕著な変化はみられなかった. 試験実施時の%1秒量は83年と比較して91年は高値であったが, %1秒量が90%以上の肺機能が良い例でも91年は83年よりも閾値が高い症例が増えていた. 3) 病型は外因型の割合が増え, 特に外因型で閾値が高い例が多かった. 以上の結果より, 当院外来受診患者では気道の過敏性が低下している例が増え, 特に外因型で顕著にみられた.
日本アレルギー学会の論文
1994-10-30