低分子抗原の各種投与経路によるウサギでの免疫原性発現の違い
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概要
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低分子抗原であるTNBSの単独におけるウサギでの免疫原性発現につき, 各種感作経路による違いを体液性ならびに細胞性免疫の面から追求した。実験群としてはTNBSのsc, iv, imおよびip感作群を設け, 投与頻度は週3回, 計10回とし, 体液性検査系 (HA・PCA・Arthus) と細胞性検査系 (DTH) によりTNBSの免疫原性発現をしらべた。その結果, 体液性免疫では, sc感作の場合に最も強いTNBSに対する免疫原性発現が認められ, iv感作が最も弱く, またimとip感作ではこれらの中間的な発現が認められた。一方, 細胞性免疫 (DTH) では, sc感作の場合にだけ陽性反応が認められ, 他の感作ルートではすべて陰性であった。これらの成績から, 体液性と細胞性の両面からみて, sc感作の場合に当低分子抗原に対する免疫原性が最も効率よく発現することが判明した。これは, 皮膚組織に何種類もの抗原提示細胞 (APC) およびケラチノサイトが存在しており, このような場に抗原が感作されると効率よく抗原提示・認識等のプロセスが進んだためと思われた。
- 日本アレルギー学会の論文
- 1993-02-28
著者
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