低分子化合物に対する IgG および IgE 抗体産生応答のマウス系統差
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
低分子化合物に対する抗体産生能をH-2ハプロタイプの異なるマウスで比較検討することは, 薬剤アレルギーの基礎的解析上, 意義のあるものと考えられる. こような検討は従来, 高分子物質で行われており, 低分子化合物についてはほとんどなされていないため, 今回 TNBS を免疫抗原としてとりあげて実験を行った. 免疫動物としてA/J (H-2^a), C57BL/6 (H-2^b), DBA/2 (H-2^d), C3H/He (H-2^k) の各系統マウスを用い, TNBS (30 & 300μg/body) を FCA 併用 (ip or sc) で免疫し, IgG および IgE 抗体産生能を2-ME 処理血清試料での HA と無処理血清試料でのラット PCA 反応によりそれぞれ調べた. その結果, DAB/2は IgE 産生に高応答を示し, 一方 C3H/He は IgG 産生に高応答を示した. 次に, A/Jは IgG と IgE の両者で高い応答性を認めた. C57BL/6は IgG, IgE ともに低〜中応答性であった. A/Jの H-2ハプロタイプ (H-2a) はK領域から E_α 亜領域までがH-2^k由来の, また S 領域と D 領域がH-2^d由来の遺伝子をもっていることから, 上記のような現象が認められたものと推察された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1991-03-30
著者
関連論文
- 低分子抗原の各種投与経路によるウサギでの免疫原性発現の違い
- 低分子抗原の単独およびアジュバント併用感作により実験動物に認められた免疫原性
- 低分子抗原に対するモルモットIgG1およびIgG2サブクラス抗体の免疫学的活性の比較
- 低分子化合物に対する IgG および IgE 抗体産生応答のマウス系統差
- 335 TNBSに対するIgGとIgE抗体産生応答のマウス系統差に関する検討
- 334 4-アミノアンチピリンとその蛋白質結合物の免疫原性の比較検討
- 低分子化合物およびその蛋白結合物によりウサギに誘導される遅延型皮膚反応の比較検討
- 204 ペニシリンGおよびそのタンパク結合物に対するIgMからIgG抗体への変換に関する研究
- マンネンタケ(霊芝)の水溶性多糖類の分画,構造,抗腫瘍活性について