低分子抗原の単独およびアジュバント併用感作により実験動物に認められた免疫原性
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概要
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低分子抗原としてTNBSをとりあげ, モルモット, ウサギ, F344ラットおよびA/Jマウスにおいて, TNBS単独およびAlum併用免疫で免疫原性の発現が認められるか否かを明らかにする目的で, FCA併用免疫の場合と, 体液性・細胞性免疫応答を指標として比較検討を行った. 実験群は4種の実験動物につきTNBS単独sc群, Alum併用ip群(1回&3回感作)ならびにFCA併用sc群(1回&3回感作)を設け, 体液性検査系(HA・PCA・SANA・Arthus)と細胞性検査系(DTH)によりTNBSの免疫原性発現をしらべた. その結果, これらすべての実験動物において, FCA併用sc群はもとより, TNBS単独sc群およびAlum併用ip群においても, 体液性免疫応答はいずれの検査系で予想以上に明確な陽性反応を示した. 細胞性のDTH(皮内注射法)ではモルモットとウサギのほぼすべての実験群で陽性であったが, ラットでは陰性であり種差が認められた. 以上の成績から, TNBSは薬物アレルギーを追求する上で, 抗原性試験における有用性の高いモデル化合物として, 陽性対照物質になり得ると考える.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1992-03-30
著者
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