ヒト好中球および好酸球の機能に及ぼすInfluenza Virus感作ヒト単核球の培養上清の影響 : Interferonの役割
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概要
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紫外線照射influenza virusで感作したヒト単核球培養上清(virus-sup)の好中球および好酸球の機能に及ぼす影響を検討した.好中球の機能, すなわち, zymosan活性化血清に対する遊走や, opsonin化zymosan刺激によるsuperoxide anion産生, さらにperoxidaseをはじめとしたlysozome酵素の遊離は, virus-supとの前培養により著明に亢進した.virus-sup前培養の促進効果は, 好中球上の補体レセプター発現の増強を通じて仲介されると推測した.一方, 好酸球での上述した機能は, virus-supとの前培養で逆に低下した.好中球や好酸球の機能に対するvirus-supの効果は, 抗interferon抗体により吸収され消失し, 逆に, 白血球, 線維芽細胞由来のinterferonで細胞を前処理することによっても再現できた.ヒトIgGを結合させたSepharose 4Bビーズ刺激好酸球からのSRS-A産生量は, interferonとの前処理により増大し, このinterferonの亢進効果は, 前培養された好酸球でのperoxidaseやH_2O_2遊離量の減少に関連すると考えられ, さらに, この減少は好酸球上のFcγレセプター発現の減少と関連すると考えられる.以上のことから, influenza virus感染に際して単核球から産生されるinterferonが気管支喘息をはじめとしたアレルギー症状を悪化させる可能性が示唆された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1986-05-30
著者
-
信太 隆夫
国立相模原病院
-
油井 泰雄
国立相模原病院アレルギー臨床研究部
-
早川 哲夫
国立相模原病院リウマチ・アレルギー臨床研究部
-
斉藤 博士
国立相模原病院リウマチ・アレルギーセンター臨床研究部内科
-
斉藤 博士
国立病院機構相模原病院 臨床研究センター
-
早川 哲夫
国立相模原病院アレルギー臨床研究部
-
油井 泰雄
国立相模原病院アレルギー研究部
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