レンサ球菌感染に基づき惹起されるマウスの実験的腎炎における細胞性免疫の関与について
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概要
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A群レンサ球菌3型を用いて, 8週齢雌性BALB/cマウスにおける実験的腎炎について検討した.感作マウスは加熱死菌(2×10^8/ml)を静注した静注感作群と生菌(2×10^8/ml)の皮下感作群に区別した.血清抗体価ならびに遅延型アレルギー反応(DTH)の測定には本菌菌体細胞壁よりえた蛋白画分およびC-多糖体を抗原として用い, 感作血球凝集反応と足蹠反応について検討した.静注感作群に皮下感作群からえたリンパ球を経静脈的に受身移入し, その後加熱死菌の超音波処理したものを惹起抗原として投与し, 経時的に腎病変を検索した.その結果リンパ球の移入を受けた群のマウスの腎臓には, 糸球体においてsegmentalにメサンギウム領域の拡大とhypercellularityが認められ, 電顕像においても糸球体内皮細胞の腫大とメサンギウムmatrixの増生が認められ, 蛍光抗体法ではメサンギウム領域に抗マウスIgG, IgM, C_3のgranularな沈着が観察された.またこれらの変化はあらかじめリンパ球を抗T-血清と補体で処理することによっては認めることができず, 従ってこの病変の成立は血清抗体と細胞性免疫の両者の協同作用に基づき惹起されるものと思われた.
- 1982-03-30
著者
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