結節性壊死性皮膚炎と蛋白分解酵素
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
約10年前より出血壊死傾向の強い皮疹を反覆発生している結節性壊死性皮膚炎の19才女子例において, 皮膚病変部局所に強い線溶活性を示す蛋白分解酸素が存在することをfibrinolysis autograph techniqueにより証明した.この蛋白分解酸素の活性は, 局所に浸潤した多核白血球に特に強く認められた.加熱フィブリン膜やtrans-AMCHA加フィブリン膜での検索結果より, この蛋白分解酵素はプラスミノーゲンアクチベーターではなく, 非特異的な線溶能を有する蛋白分解酵素であろうと考えられた.健常部皮膚や, 血漿中の線溶活性には特に異常は認められなかつた.以上の事実を, 同時におこなつた他の検索結果と考えあわせると, 本症の出血性, 壊死生皮膚病変の成立に, 局所に浸潤した多核白血球のライゾームに由来すると思われるこの蛋白分解酸素が重要な役割を演じていることが推察された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1970-09-30
著者
関連論文
- 21.職業性そばアレルギー症の症例について(職業アレルギー)
- 2.IgEによる組織反応(1 各種疾患とIgE : セッション3レアギン型アレルギー性反応の機序)
- そばアレルギー症の研究 : 第3報 職業性そばアレルギー症について
- 146. 蕁麻疹反応のChemical Mediator(化学作用物質(II))
- 133)慢性蕁麻疹の予後に関する成績
- 6. 小児アレルギー性疾患とプラスミン(V プラスミンとアレルギー)(第16回日本アレルギー学会総会)
- 180 アトピー性皮膚炎患者の血中IL-4, CD23値の検討
- 174 アトピー性皮膚炎患者における末梢血Eosinophil Cationic Protein(ECP)値の検討
- 159 入院と除去食療法が奏功した多種アレルゲンに陽性を示した重症アトピー性皮膚炎の1例
- 143 SLE患者における抗リン脂質抗体の多様性と臨床的意義の差異
- 蕁麻疹様紅斑の組織学的分類 (第1回蕁麻疹シンポジウム)
- 58 アナフィラキシー様紫斑病患者の皮膚および紫斑病性腎炎患者の腎におけるIgAの沈着(Immune complex)
- E24.SLEと帯状疱疹(自己免疫, 抗アレルギー剤)
- 顔面以外にも皮疹が認められたRecurrent neutrophilic dermatosis
- 88.いわゆる慢性蕁麻疹の慢性化因子に関する検討(皮膚アレルギー)
- 60.皮膚疾患とIgE(IgEとHomocytotropic Antibody)
- 59.アトピー性皮膚炎, 慢性蕁麻疹とIgE(IgEとHomocytotropic Antibody)
- アトピー性皮膚炎, 慢性蕁麻疹とIgE
- 2.鼻アレルギーと物理的刺激(IV Physical Allergy)
- 皮膚血管のキニン生成酵素
- 146.蕁麻疹反応のChemical Mediator(化学作用物質(II))
- 寒冷蕁麻疹の Chemical Mediator
- 125)Fibrinolysis autograph technique による.皮膚におけるプラスミノーゲンの組織アクチベーターの研究
- 123)各種皮膚疾患における血清モノアミンオキシダーゼ活性の測定
- 結節性壊死性皮膚炎と蛋白分解酵素
- 136)下腿炎症性結節性血管炎の研究 I
- SLEと帯状疱疹 (膠原病)
- Histiocytosis X皮膚型
- SLE患者にみられる蕁麻疹様皮疹--いわゆる補体減少性血管炎性蕁麻疹との関連について (第1回蕁麻疹シンポジウム)
- 基底細胞母斑症候群の6症例
- 妊娠前の伝染性紅斑(Human parvovirus B19感染)により胎児死亡をきたしたと考えられた1例
- 皮疹を主訴としたSjӧgren症候群