組合繰返應力を受ける金属材料の破壊法則

概要

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可鍛性材料に対する松村博士の破損説即ち「可鍛性材料に於ては最大剪断應力が変容の程度によつて変化する定数値に達するとき彈性的破損を起す」といふ考へは延性の大なる材料に関する限り実驗結果に非常に良く當嵌まるものである。併し、脆性材料に対しては當嵌まらない。よつて著者は次の如き考へ方を提案致し度い。即ち延性の大なる材料に対しては松村博士の説をそのまゝ用ひるが、脆性材料及び延性の比較的乏しい材料に対しては松村博士の説に於て最大剪断應力の代りに最大主應力を以て置き代へる。且これを繰返應力の場合に當嵌めて「延性の大なる材料に於ては繰返應力による最大剪断應力が変容の程度によつて変化する定数値に達するとき疲労破壊を起し、脆性材料及び延性の比較的乏しい材料に於ては繰返應力による最大主應力が変容の程度によつて変化する定数値に達するとき疲労破壊を起す」と考へる。而してこの考へ方より出発して種々の組合應力状態における疲労強さを表はすべき条件式を導き、これが従耒の実驗結果と良く一致することを知つた。
一般社団法人日本機械学会の論文
1943-07-30