グロー放電法による酸化スズ薄膜の合成
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概要
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テトラメチルスズ (TMT) 蒸気と酸素を原料とし, グロー放電を利用したプラズマCVD法により酸化スズ薄膜を石英基板上に析出させた. 薄膜の析出形態は電極配置と基板位置によって変化した. カソード側に置いた基板上にのみ結晶性の酸化スズ薄膜が析出した. アノード側及び両極の外側では薄膜はアモルファスであった. 薄膜の導電性も結晶性と同じ傾向があり, カソード側基板上にのみ導電性薄膜が析出し, 他の基板位置では導電性薄膜は得られなかった. カソード側では基板の温度上昇が220°-290℃で, 他の基板位置 (110°-170℃) より大きかったことが, 結晶性と導電性が良くなった一因と思われる. 導電性薄膜の電気伝導度は2-20S・cm-1, キャリアー濃度は1019-1020cm-3, 移動度は約1cm2V-1・s-1で, 小さすぎて測定できない薄膜もあった. 薄膜中にはTMTの酸化分解生成物である酸素を含み, 不飽和結合をもった各種鎖長の炭化水素が約10wt%含まれていた. プラズマの電子温度 (2-20eV) と電離度 (10-9-10-7) を測定したが薄膜の性質との相関は不明であった. 薄膜の析出には圧倒的多数の中性種あるいはイオンが主として関与し, 電子の直接の寄与は小さいものと考えられる.
- 社団法人日本セラミックス協会の論文
- 1985-09-01
著者
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