大正期の音楽教育 第I報 : 日本教育音楽協会の創立と創立初期の活動
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概要
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明治から大正期に入って,学校教育制度は臨時教育会議の答申に基いて大きく改革されていく。臨時教育会議における教育制度改革の中心的な対象は,大学,高等学校教育に関するものであり,大学令によって学部制,単科大学の制度が生まれ,公立,私立の大学も承認されて,大正8年(1919)には,高等教育機関充実6ヶ年計画がしかれ,多くの国費が投入された。また大学令,高等学校令,中学校令の教育目的に"人格の陶冶および国家思想の涵養""国民道徳の充実,養成"が加えられた。また臨時教育会議の答申に基いて,小学校令,中学校令,高等女学校令が改正されるのである。一方第一次大戦を契機として生じた労働運動,農民運動の高揚,大正デモクラシー運動等に対して,いわゆる思想善導の組織的方法として社会教育を起用し,学校教育外の教育活動も強力に展開しはじめていった。そして大正期は明治初期の自由民権運動について国民の政治的自覚が強まる中で,音楽に関してもたとえば『赤い鳥』-大正7年(1918)創刊,鈴木三重吉-は芸術教育運動の一つであって,その後の民間教育運動に強い影響を与えるのである。さてこういう時代に,行政面と,現場の音楽教育に携わる教師たちのからみ合いのもとに,音楽教育はどのような動きをもたらすのか。その重要な動きの一つとして,日本音楽教育協会の創立そして,その初期の活動をみてみようと思う。The aim of this paper is concerned with the situations of the musical education in the Taisho era (1912-1926). In this era the educational system was reformed, although it had been established during the previous era and had a great influence on the advance of general education in our country. In this first paper I deal with the foundation of Japan Educational Music Association and its activities in the early stage.
- 大阪教育大学の論文
- 1982-10-31
著者
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