ヒト絨毛癌細胞株よりのMethotrexate耐性株の誘導と耐性獲得機序について

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当教室樹立ヒト絨毛癌細胞株GCH-1より、methotrexate(MTX)濃度を低濃度から徐々に増量しつつ培養液内に混じて培養することによりMTX耐性株を誘導した。GCH-1株細胞は、MTX1×10^<-7>M以上の濃度を含む培養液中で増殖しないが、この細胞株よりMTX1×10^<-7>Mを含む培養液中でも増殖するMTX耐性株を誘導しGCH-1:RIとし、MTX5×10^<-7>M濃度を含む培養液中でも増殖するMTX耐性株も同時に誘導しGCH-1:RIIとした。1.MTXのdose-responsecurveに蔚けるIC_<50>は、GCH-1、GCH-1:RI、GCH-1:RIIで,各々4.5×10^<-8>M、7.5×10^<-7>M、9.5×10^<-7>Mであつた。2.形態学的にも,HCG,β-HCG分泌能においても、GCH-1および各MTX耐性株に大きな差異は認められなかつた。3.GCH-1株細胞のDNAhistogram上、3n-4nに主たるpeakと、5n-6nに第2のpeakを認めた。又、MTX5×10^<-8>M、1×10^<-7>Mを添加培養すると後者のpeakは減少した。一方、MTX耐性株細胞のDNAhistogram上においては、3n-4nと5n-6nにpeakを認めたが、後者のpeakはGCH-1のそれと比較して明瞭ではなかつた。また、MTX耐性株のDNAhistogramにおいては、MTX非添加培養でも変化を認めなかつた。4.MTX耐性株細胞のMTX取り込みは、MTXcarrier cmponentとMTXとのaffnityの低下により、GCH-1株細胞のそれと比較し低下した。5.DHFR活性において、GCH1:R1蔚よびGCH-1:RIIは、GCH-1と比較してそれぞれ1.48倍、4.38倍の上昇を認めた。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1984-11-01

ヒト絨毛癌細胞株よりのMethotrexate耐性株の誘導と耐性獲得機序について

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