腎被膜下移植法による制癌剤感受性試験に関する研究
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概要
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腎被膜下移植法(SRCA)の原法における問題点を解決するため,動物実験腫瘍を用いて基礎的検討を行つた. DMBA誘発ラット卵巣癌を材料にBogdenの方法に準じimmunocompetentなBDF1マウス腎被膜下に移植,経日的に開腹,腫瘍径計測および組織学的検討を行つた. 宿主反応を抑制する目的でcycrosporinA(CsA), cyclophosphamide(CPA)を用い, 免疫抑制法を検討した. さらに, 担癌ラットを用い, 材料採取からassayによる薬剤選択および治療までの臨床モデルにおける治療効果との相関を検討した. 1) 免疫抑制を行わない場合, 移植腫瘍は7日目には宿主反応に置換され, 9日目には退縮した. 2) CsA 80 mg/kg連日投与9日目に腫瘍は最も良好な発育を示し,組織学的検討を含めたスコアリングによる判定でCsA処置下9日目判定法が望ましいと思われた. 3) CsA処置下での制癌剤投与実験では, 腫瘍はCDDP, MTXにsensitive, MMCにresistantと判定されたが, スコアリングを用いての検討では, MTXに最も高い感受性を示した. 4) 担癌ラットに対する治療実験では, MTXには治療効果が認められたが, MMCでは無効となりSRCAの結果が臨床効果に反映された. 5) CsA処置下では, 制癌剤の毒性が増強し5-Fu投与マウスは判定不能となつたため, 投与量, 投与方法の検討が必要と思われた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1989-06-01
著者
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