ACTIVITIES OF Ca^<2+>-ATPase AND Na^++K^+-ATPase IN HUMAN PLACENTA

概要

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ヒト胎盤についてのCa^<2+>-ATPaseおよびNa^++K^+-ATPaseについての詳細な知見は乏しい.そこで我々はヒト胎盤絨毛のCa^<2+>-ATPaseを中心に,その諸性質と妊娠各期のCa^<2+>-ATPase,Na^++K^+-ATPase活性を測定した.ヒト胎盤Ca^<2+>-ATPaseの諸性質のうち,最大比活性は3mM, pH9.0に認められた.alkaline phoshataseとはl-phenylalanine添加試験,耐熱試験により同一ではないことが確かめられた.ヒト胎盤Ca^<2+>-ATPase活性(μmoles Pi/mg protein/30min)は妊娠10〜15週で平均値は21.9,16〜27週で19.1,28〜35週で31.4,36〜42週のAFD胎盤で25.8,LFD胎盤で27.9,SFD胎盤で21.2である.Na^++K^+-ATPase活性(μmoles Pi/mg protein/30min)は妊娠10〜15週で0.98,16〜27週で0.82,28〜35週で1.85.36〜42週のAFD胎盤で1.58,LFD胎盤で1.49,SFD胎盤で1.68である.以上の事より,ヒト胎盤Ca^<2+>-ATPase活性は妊娠28〜35週に高値の傾向があり,36〜42週ではSFD胎盤の活性はAFD胎盤のそれと比較して低値の傾向がみられた.Na^++K^+-ATPase活性は妊娠36〜42週ではLFD胎盤,SFD胎盤の活性とも,AFD胎盤のそれと比較して有意の差は認められなかった.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1980-10-01