所謂「冷え症」の本態に関する免疫血清学的研究 (その9)
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概要
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非特異性自家抗元抗体反応に由来する所謂「冷え症」を始めとして, 妊娠分娩異常及新産児の機能的諸障害は互いに相関し, 母子免疫的にも関連して生ずる非特異性アレルギー現象に他ならないと推論したが, これ等一連の現魚の証明に当っては赤血球凝集反応が極めて微量の免疫物質の存在下に於てすら, 良く客観再現性を具備した試験管内直接反応を示す点で最も優れているものと確信している. 従って前2編にわたって本反応実施上の基礎的条件を吟味したが, 本編では妊娠初期の胎児及び附属物より得た抗元を用い, 母及臍帯血血清抗体との間の非特異性自己免疫赤血球凝集反応の吸収試験を中心とした補足的な2, 3の吟味を試みた. 次いで自己抗元の所在と分布を知る手がかりとして絨毛支持組織, 絨毛及胎児について, その素抽出抗元蛋白量を等しくした上, 母血清に対する凝集価を比較検討して, 支持組織の凝集価は常に絨毛のそれより大きく, 全胎児の凝集価は妊娠第8週迄は絨毛支持組織のそれとほぼ等しく, 以後逐月或る程度迄上昇することを明らかにした. 又新産児については母及臍帯血血清抗体価を正常, 異常両群に分けて比較検討して, 異常群の自己免疫活動は正常群より遥かに強い事を立証した. 最後に斯様な非特異性抗元の本態究明の第一歩としてCephadex-G-200 Column Chromato法により, 抗元の単離を行なって, 斯様な抗元は高分子で, γ-グロブリン分屑に所属する事を推定した.
- 1968-04-01
著者
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