所謂「冷え症」の本態的研究 : 免疫血清学的研究
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概要
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所謂「冷え症」の臨床的研究結果を綜合すると, 本症本態の主要部分は非特異性アレルギー性機序の帰人科的表現に他ならないと推論されたので, 免疫血清学的に之の証明を試みた. 一般に非定型抗体は主として人γ-グロブリン分屑に含まれるから, 混合冷え症人血清を硫安塩析法で処理して, 純粋なγ-グロブリン(以下γ-G. と略記)分屑をとり出し, 之を以て家兎を免疫し, 抗冷え症人γ-G. 家兎血清を得, 又Mollisonに従って, 抗血清と同量のA-B型人血球で血球凝集素を1回吸収して実験に供した. 1. 比の抗血清は任意の冷え症患者血清の総蛋白量, クンケル値, 及びABO式血液型と何等有意な相関を示さない事を確認し, 2. 冷え症のCoombs直接反応は正常者に比し有意に陽転する事が判明した. 3. 本症の非定型抗体は血液, 皮膚其の他の組織臓器に分布していると推定されるから, 上記抗体を用いて, 任意の冷え症患者について血清沈降反応, 皮内反応, クームス直接反応及び肝循環障害の1指標として尿中ウロビリノーゲンを半定量的に測定し, 本症の重篤度, 器質的障害度との関係並に之等4指標の相互相関性を検討した処, 満足すべき結果を得た. 4. 更に本症例の経時観測に於ても, 之等4指標が関連移動する許りでなく, 本症の相との相関は極めて良い事を証明した. 以上により本症が非定型抗体による自家抗元抗体反応であろうと推定すべき根拠を得たものと信ずる.
- 1965-11-01
著者
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