所謂「冷え症」の本態的研究 (その7) : 免疫血清学的研究 (その3)
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概要
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従来機能説で説明されて来た,所謂「冷え症」の本態は,その後の広汎な臨床及び基礎的な研究成果に基づいて非特異性アレルギーであろうと考えられるので,筆者は前報に於て既に人血流中及び皮肉にその様な非特異性抗元の存在を証明した.しかもこの様な非特異性抗原は人の臓器組織中にも,より濃厚に分散定着している公算が大きいので,最も入手の容易な胎盤について赤血球凝集反応を利用して検討する事とした.組織抗元の証明法としてはタンニン酸処理赤血球凝集反応がしばしば用いられるが,従来その客観性,再現性が乏しい為に,微量抗元の証明法として優秀であるに拘らず敬遠される傾向があつた.因つて筆者は本反応の基礎的研究を行い,その再現性を確立する事を第一段の目的とし,次でこれを応用して胎盤素抽出物質中の非特異性冷え症抗元の証明を行う事を第二段の目的とした.従来種々の臓器について特異的な所謂自家抗元が証明され,次第にその数を増している.しかし臓器中の非特異性抗元の証明はない.わずかに妊娠中毒症のアレルギー成因説で胎盤からの精製抗元が問題にされ,しかもこの際全身の臓器組織にア性変化の合併を認める学説がある程度である.筆者は胎盤の素抽出蛋白を用い,赤血球凝集反応を利用して,人血清との間の非特異的な抗元性を証明し,これと冷え症との関連を追求し,併せて妊娠中毒症と冷え症との関係に言及した.
- 1967-01-01
著者
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