Cis-platinum(CDDP)のMTX耐性絨毛癌株に対する効果について

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難治性絨毛癌に対するCis-platinum(CDDP)の効果を客観的に判定する目的で、CDDPのMTX耐性絨毛癌株(BeWo株)における増殖抑制効果をin vitroおよびin vivoにおいて検討し、これをMethotrexate(MTX)、ActinomycinD(ACD)による効果と比較した。培養細胞を用いた実験では、CDDP、MTX、ACDを培養液中に1時間(臨床上の常用量投与時の最高血中濃度)および48時間(最高血中濃度の1/10)添加し、その後の経日的な細胞数の変化から増殖抑制効果を検討した。CDDP7×10^<-6>M、1時間添加時に対照の40%、7×10^<-7>M、48時間添加時に対照の25%まで増殖は抑制されたのに対し、MTX10^<-6>M、1時間添加時には細胞数は対照と差はなく、10^<-7>M、48時間添加時でも対照の60%であった.またACD8×10-8M、1時間添加時では対照の10%、8×10LgM、48時間添加時でも対照の10%まで増殖は抑制された。一方、ヌードマウス(CD-1(ICR)nu/nu)大腿背部皮下に移植し、継代可能となったBeWo株に対し、CDDP、MTX、ACDをマウスLD_<50>の1/3または臨床投与量の5倍を腹腔内投与し、腫瘍体積の変化から腫瘍縮小効果を検討した.その結果、2クール投与時にはCDDPのTRW/CRWは6.5%と有効を示したが、MTXでは全く腫瘍の縮小はみられなかった.またACDのTRW/CRWは29%であった。4クール投与時にはACDのTRW/CRWは2.2%、相対平均腫瘍重量比(RW)も0.44と著効を示したが、CDDPのTRW/CRWは15.5%と有効であつた。以上の実験から、CDDPはMTX耐性絨毛癌株に対し、ACDに次いで有効であることが明らかとなり、難治性絨毛癌治療におけるCDDPの臨床上の有効性が示唆された。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-02-01

Cis-platinum(CDDP)のMTX耐性絨毛癌株に対する効果について

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