培養絨毛癌細胞における細胞増殖 hCG β-hCGならびにSP-1の産生動態に与えるMethotrexateの影響

概要

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絨毛癌の細胞学的特性を検討する目的で,発生の異なる3種類の培養絨毛癌細胞株(BeWo,GCH 2,SCH)を用いて,それらの類似性,相違性の確認ならびにMethotrexate(MTX)添加による細胞増殖様式,bCG,β-hCGとPregnancy Specific β-1-Glycoprotein(SP 1)産生様式の変化を検討し,以下の結果を得た。A:MTX非添加時 1)培養液中に放出された,hCGとβ-hCGは3株において対数増殖期直前に分泌の抗進が観察され,むしろ対数増殖期に分泌は,抑制された。2)細胞内hCG,β-bCGの変動は,培養液中に放出されたhCG,β-hCGの変動パターンに類似していた。3)SP 1は,細胞内,培養液中とも培養開始から定常状態まで2.5ng/ml以下であった。B:MTX添施時 1)BeWo,GCH-2,SCHのMTX添加による細胞増殖,hCG,β-hCG産生動態は,きわめて類似していた。2)MTX濃度について検討すると,10^<-8>,10^<-7>,10^<-6>M添加で,細胞増殖はdose dependentに抑制され,hCG,β-hCG分泌はdose dependentに抗進した。3)MTX24時間,72時間,,168時間添加において,細胞増殖,hCG,β-hCG,SP-1の産生を観察すると,添加時間による明らかな差は認められなかった。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1984-01-01