遅延着床内膜の Estrogenic Transformation に関する電顕的観察 : とくにその早期反応を中心として
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概要
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エストロゲンによつて誘起される nidation promoting effects の具体的な形態学的諸像, ことにその早期反応を知る目的で, エストラジオール投与後に生ずる去勢プロゲステロン投与遅延着床ラット子宮内膜の経時的な変化について電顕的観察を行つた. その結果, i) 表面上皮細胞においては, エストラジオール投与2時間後に核上部に脂質滴が出現し, 4時間後に基底部においてポリゾームが明らかとなり, 粗面小胞体の内腔拡大像もみられた. 12時間後では apical vesicles の減少, ライソゾーム系顆粒の増加やゴルジ装置の縮小が認められ, 24時間後には微絨毛の短縮やその配列不整像など正常妊娠L_4日と類似する所見が得られた. ii) 腺上皮細胞では2時間後からすでに基底部のポリゾームが明瞭となり, 同時に内腔の拡大した粗面小胞体も認められ, 4時間後では基底部や胞体上部に脂質滴が出現し, apical vesicles の増加, ゴルジ装置の拡大傾向がみられた. また腺腔内には正常着床期の内膜と同様に小顆粒が出現するが, このさいの腺腔内電子密度の増加は正常着床期ほど著明ではなかつた. 典型的な巨大ミトコンドリアは24時間後ではもはや認められない. iii) 間質細胞に生ずる著明な変化の一つとして, エストラジオール投与4時間後から表面上皮直下の部位において間質細胞の接近化がみられた. そして48時間後ではより多くの間質細胞が互いに接近するようになる. しかしながら, このような間質細胞の細胞内小器官の発達は認められるものの, 胞体自身の肥大は正常妊娠脱落膜細胞ほど著明ではなかつた. またこうした間質細胞の接近像は Actinomycin D の前投与により, 阻止できないことが判明した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1973-11-01
著者
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林 要
神戸大学医学部産科婦人科学教室
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林 要
恵生産婦人科病院
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李 文遠
神戸大
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李 文遠
神戸大学医学部産科婦人科学教室
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松岡 謙二
神戸大学医学部産科婦人科学教室
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松岡 謙二
神戸大学医学部産科婦人科学教室:神戸大学医学部解剖学第二講座
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林 要
神戸大
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