劇症型A群レンサ球菌感染症「分娩型」の臨床像
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概要
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<目的>劇症型A群レンサ球菌感染症の中でも,分娩前後に発症する「分娩型」は進行が急激で診断や対処が困難である.国内発生状況と臨床経過について検討した.<方法>自験例3例に加え,公開された例,著者らに連絡された例に対して臨床経過を問い合わせ,該当又は類似例を22例集積した.さらに国内265施設に対し1998年までの経験例についてアンケート調査を実施した.対象期間の制限はしていない.回収率は79%で,該当又は類似例が9例寄せられた.今回「分娩型」として検討対象としたものは,一般劇症型に対するCenter for Disease Control and Prevention (CDC)の基準案,厚生省研究班基準案該当例に加え,敗血症様ないしsystemic inflammatory response syndrome (SIRS)の臨床所見を示し分娩の24時間以内に母体が死亡した例で,かつ血液からA群レンサ球菌が検出又は血管内や絨毛間腔の球菌集簇像が確認された例とした.<結果>「分娩型」の定義をみたした例は総計31例中15例となり,1992年以降の9年間に分布した.全例が経産婦で9例は早産となった.11例が冬又は春に発症し8例で上気道炎症状先行が確認された.13例で発熱(38℃以上),12例でSIRS基準該当が確認された.胎児心拍数異常が認められたものは7例あるが,検査前の胎内死亡5例を合わせると12例となる.血小板減少や凝固異常の検査所見が10例で認められたが出血多量例は4例のみであった.溶血が8例でみられ,中枢神経症状が9例でみられた.肝腎機能の変化が得られたものは少ない.球菌の集族は12例で確認された.<結論>発熱などのSIRS徴候はほぼ必発である.胎児心拍数異常は母体の悪化に先行し,早めの警告となりうる.意識状態や全身倦怠感は客観的評価が困難であるが重要な徴候である.胎盤は菌の集族像の探索に有用である.
- 1999-12-01
著者
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清水 可方
国保旭中央病院麻酔科
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清水 可方
国保旭中央病院・麻酔科
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清水 可方
旭中央病院(国保) 麻酔科
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押尾 好浩
国保旭中央病院産婦人科
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宇田川 秀雄
旭中央病院婦人科
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押尾 好浩
旭中央病院産婦人科
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押尾 好浩
千葉・旭中央病院
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宇田川 秀雄
国保旭中央病院
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宇田川 秀雄
旭中央病院(国保) 産婦人科
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