小児穿孔性虫垂炎における術後腹腔内膿瘍の危険因子の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
【目的】小児期の穿孔性虫垂炎における術後腹腔内膿瘍の予防ならびに早期発見を目的として, その危険因子を検討した.【方法】穿孔性虫垂炎で術後腹腔内膿瘍を形成した6例(膿瘍(+)群)と形成しなかった31例(膿瘍(-)群)の臨床所見, 検査所見を後方視的に比較した.【結果】術前の臨床所見では下痢症状を膿瘍(+)群に有意に多く認め, 術前の検査所見では血清CRP値が膿瘍(+)群で有意に高かった.年齢, 性別, 発症から入院までの期間, 術前の体温, 白血球数は両群間に有意差を認めなかった.術後の検査所見では, 血清CRP値は両群とも同様に低下傾向を示したが, 白血球数は膿瘍(-)群で有意に低下したのに対し, 膿瘍(+)群では術前値と同様の値で推移した.術中培養の細菌の種類, 術前後に投与した抗菌薬の種類は両群間に差を認めず, 術中ドレーンは膿瘍(+)群に多く挿入されていた.【結論】術前の下痢症状, 血清CRP高値が虫垂炎術後腹腔内膿瘍の危険因子であり, 術後経過では持続的な白血球数の増多が術後膿瘍を示唆する所見であると考えられた.
- 日本小児外科学会の論文
- 2000-06-20
著者
-
佐藤 吉壮
富士重工業健康保険組合総合太田病院小児科
-
佐藤 吉壮
総合太田病院小児科
-
難波 貞夫
総合太田病院小児外科
-
難波 貞夫
富士重工業健康保険組合総合太田病院
-
渡辺 宏治
国立成育医療センター外科
-
森川 信行
富士重工業健康保険組合総合太田病院小児外科
-
渡辺 宏治
富士重工業健康保険組合総合太田病院小児外科
-
佐藤 吉壮
富士重工業健保 総合太田病院 小児科
-
森川 信行
国立成育医療研究センター外科
関連論文
- 抗菌薬の使いかた (特集 新生児医療・必修基礎知識) -- (管理法)
- 本邦ではまれな遺伝子変異の認められたベータサラセミアの2家系
- ランゲルハンス細胞組織球症の病期決定および治療効果判定におけるFDG-PETの有用性
- 20H-13 小児用経口抗菌薬の製剤計に関するアンケート調査(使用状況調査・意識調査,来るべき時代への道を拓く)
- 小児化膿性髄膜炎の臨床経過に対するデキサメタゾンの影響 : 本邦27施設における使用経験 : 特に再発熱について
- 本邦27施設における1981年以降14年間の小児化膿性髄膜炎の起炎菌の動向
- 本邦における小児細菌性髄膜炎の動向(2005-2006)
- 本邦における小児化膿性髄膜炎の動向(2003-2004)
- 本邦における小児化膿性髄膜炎の動向(2000-2002)
- 小児・新生児における MRSA 敗血症に対する Teicoplanin の薬物動態及び臨床的検討
- 21-P3-430 注射用抗菌薬のAUDの推移と施設間の比較 : 抗MRSA薬とカルバペネムを中心に(感染対策・ICT,来るべき時代への道を拓く)
- ファロペネムドライシロップの小児科領域における基礎的臨床的検討
- 小児科領域におけるCefluprenamの基礎的・臨床的総合評価
- 小児科領域におけるAzthromycin(カプセル剤)の総合評価
- 小児科領域におけるAzithromycin(細粒剤)の総合評価
- セフェム系薬使用の考えかた (特集 迷わない!重症感染症への抗菌薬・抗ウイルス薬) -- (抗菌薬・抗ウイルス薬使用の考えかた)
- アンケート調査による小児感染症への注射用抗菌薬の治療実態と今後への期待
- 小児科領域感染症における meropenem の臨床的検討
- 小児科領域におけるFaropenemドライシロップ製剤の臨床的検討
- 新生児領域抗菌薬臨床試験における判定基準
- 小児呼吸器感染症患者における cefteram pivoxil 高用量投与時の有効性と安全性
- 小児の急性上気道感染症に対する cefdinir 細粒および cefcapene pivoxil 細粒の服薬性, 有効性および安全性
- Methicillin 耐性 Staphylococcus aureus に対するグリコペプチド系とβ-ラクタム系抗菌薬の in vitro 併用効果
- 示34 1500g未満の低出生体重児に対する中心静脈カテーテル使用経験
- 37 変性した神経叢, 神経節細胞を有するヒルシュスプルング病類似症例
- 51. 新生児背部軟部組織腫瘍の 1 例(第 34 回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 小児科領域を対象とする arbekacin 血漿中薬物動態パラメータの算出
- 新生児における遊離ビリルビン濃度に与える抗菌薬の影響
- 新生児における各種抗菌薬の蛋白結合率
- Chlamydia trachomatis 感染細胞抽出液に見出された C. trachomatis 感染患者血清と反応する抗原の解析
- Ceftizoxime alapivoxilの腸内細菌叢におよぼす影響 : 4菌種定着マウスにおける検討
- 北関東地域で分離されたChlamydia pneumoniaeの感染性粒子形態と抗体との反応性
- 合成ペプチド抗原を用いた抗Chlamydia trachomatis抗体の検出
- Bordetella pertusslsに対する好中球貪食殺菌作用におよぼす血清抗体および抗菌薬の影響
- 腸管出血性大腸菌によるマウス腸管感染モデルに対する抗菌薬の影響-第2報Fosfomycin高用量投与群における治療効果-
- 小児およびその家族から分離されたChlamydia pneumoniae株の薬剤感受性
- 腸管出血性大腸菌によるマウスの腸管感染モデルに対する抗菌薬の影響-抗菌薬による腸管内verotoxinの遊離とマウスの致死作用について-
- 小児科領域におけるAzithromycinの基礎的,臨床的検討
- イリノテカン関連下痢症の対策
- イリノテカン+テモゾロミド療法により多発骨転移の改善をみた再発神経芽腫の1例
- 小児科領域の深在性真菌症におけるボリコナゾール使用実態調査
- 43. 21-hydroxylase 欠損症の治療経過中に偶然発見された左副腎腫瘍の 1 例(第 33 回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- V-16 鎖肛を合併した結合双生児(ischiopagus tetrapus) の分離手術と鎖肛根治手術
- 128 プルンベリー症候群4例の検討
- 本邦ではまれな遺伝子変異の認められたベータサラセミアの2家系
- 7.非典型的な経過をとった胆道閉鎖症の1例(第30回日本胆道閉鎖症研究会)
- D-95 診断に難渋したヒルシュスプルング病類縁疾患の一例
- 12. 内・外肛門括約筋電気活動よりみた直腸肛門内圧曲線の解析と臨床応用(第 30 回日本小児消化管機能研究会)
- 小児穿孔性虫垂炎における術後腹腔内膿瘍の危険因子の検討
- C98 鎖肛術後症例の肛門括約筋電気活動に関する検討
- B85 小児穿孔性虫垂炎における術後腹腔内膿瘍のrisk factorに関する検討(虫垂炎・ヘルニア)
- 4. 直腸肛門反射の構成因子としての外肛門括約筋(EAS)の応答の特徴
- 62. 経皮的穿刺で治療した後腹膜リンパ管腫の 1 例(第 27 回 日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 48. 乳児後縦隔奇形腫の 1 例(第 32 回 日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 64. PVB 療法が有効であった再発卵黄嚢癌の1乳児例(第29回関東甲信越地方会)
- 35.鎖肛術後症例の肛門括約筋電気活動についての検討(第22回日本小児消化管機能研究会)
- 38.肛門括約筋電気活動から見た肛門管内圧の解析(第21回日本小児消化管機能研究会)
- 10.呼吸困難を呈した縦隔良性腫瘍の1例(第28回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した小児の不完全型胆嚢捻転症の1例
- E120 腹腔鏡下に安全に硬化療法により治療せしめた腸間膜嚢腫の1例
- 低出生体重児 ・ 新生児に対する Cefozopran の基礎的 ・ 臨床的検討
- 小児科領域におけるSY5555の基礎的・臨床的検討
- 黄色ブドウ球菌感染症 (小児の治療指針) -- (感染症)
- PK-PD理論に基づく抗菌薬用法・用量設定の普及に関する実態調査 : 社団法人日本化学療法学会評議員を対象として
- 新生児の感染症 (特集 迷わない!重症感染症への抗菌薬・抗ウイルス薬) -- (各種感染症・病態における診断の決め手と治療薬の選びかた)
- 本邦における小児細菌性髄膜炎の動向(2007-2008)
- P-225 超低出生体重児の腹部症状に対する外科的対応の経験(示説 超低出生体重児)
- 3.出生前診断された胎便性腹膜炎 : 非手術例(第26回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- P-68 新生児潜因性局在関連性てんかんの一例(症例報告6,一般演題(ポスター),第40回 日本てんかん学会)
- 薬効報告 PK/PD理論を用いた経口セフェム系薬cefteram pivoxilの投与方法の検討
- アミノ配糖体の新しい投与法 (特集 新生児の薬物療法) -- (各疾患への薬物療法)
- 小児細菌感染症患者を対象とした tazobactam/piperacillin (配合比1:8製剤)の第III相試験
- 先進的病院における感染制御 富士重工業健康保険組合総合太田病院における感染制御
- 特殊病棟内の感染と対策 : 1. 新生児病棟
- 抗菌薬の相互作用 (特集 感染症の治療--抗菌薬を使いこなそう) -- (抗菌薬を使いこなすための知恵:薬物からみた抗菌薬の特徴を知ろう)
- 抗菌薬の適正な選択と上手な使い方 (特集 感染症の治療--抗菌薬を使いこなそう)
- 小児の Common な感染症に対する院内感染対策 : 細菌感染について
- 小児の抗菌薬療法 : 新生児に対する使い方
- 髄膜炎 (特集 カルバペネム系抗菌薬を使う・使わないの臨床決断) -- (疾患別 カルバペネム系抗菌薬を使う臨床決断)
- 当直医が知っておきたい小児急性感染症とは (特集 当直医のための小児急性感染症の初期治療のポイント)
- NICU (特集 臨床医が知っておくべき抗菌薬の使い方) -- (特殊病態・特殊部門での使い方)
- 小児科領域細菌感染症と抗菌薬の選択(呼吸器感染症を中心に)
- 抗菌薬 (日常診療に役立つ最新の薬物治療と副作用対策) -- (各論--薬効および副作用とその対策)
- 新生児に対する抗菌薬療法 (NICU最前線 問題解決の糸口がみえてくる! 感染管理の専門家に学ぶNICU感染対策のポイントQ&A)
- NICUにおける感染制御 (医療・福祉施設における感染制御と臨床検査) -- (様々な環境下での施設内感染制御)
- 院内感染防止対策(含:新生児室) (特集 周産期感染症ハンドブック)
- 化膿性髄膜炎と耐性菌の動向 (特集 化膿性髄膜炎治療の最近の動向)
- 胸膜炎,膿胸 (小児の治療指針) -- (呼吸器)
- 小児感染症ガイドラインをふまえた抗菌薬治療 (特集 小児のくすり最新情報)
- 肺炎球菌感染症 (小児の治療指針) -- (感染症)
- 小児科領域における耐性菌の現状と抗菌薬の適正使用について
- 抗MRSA薬の使用実態に関するアンケート結果(2008年)
- 成人の細菌性髄膜炎における抗菌薬治療と予後
- 小児細菌感染症における薬剤耐性化
- 科学教養講座 これだけは知っておこう!感染防止対策
- 小児の細菌性髄膜炎における抗菌薬治療と予後
- 本邦における小児細菌性髄膜炎の動向(2009-2010)
- 小児における各種感染症を対象としたメロペネムの有用性およびPK-PD解析に関する検討
- ペニシリン耐性肺炎球菌 (多剤耐性菌の検査と臨床)