ヒト正期産羊膜上皮細胞におけるCa^++ATPase活性の局在に関する超微形態学的研究

概要

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羊膜上皮におけるCa^++代謝の一端を解明する目的で、細胞内Ca^++の汲み出しに関与する膜Ca^++ATPaseの超微形態学的局在を、ヒト正期産羊膜上皮細胞において、電顕酵素組織化学的に検討した。Ca^++ATPase活性の検出にはクエン酸鉛法を用いた。同時にCa^++ATPase以外のphosphatase(Alkaline phosphatase(ALP)、Acid phosphatase(ACP)、Mg^++ATPase、Na^+K^+ATPase、Thiamine pyrophosphatase(TPP)、Nicotinamide adenine dinucleotide phophatase(NADP)、Glucose-6-phosphatase(G6P)、5'-Nucleotidase(5'-N)活性についても併せて検討を加えた。Ca^++ATPase活性は10mMのCa^++の存在下で、羊膜上皮細胞の側原形質膜上に陽性に認められた。活性はまた、Mg^++にも濃度依存感受性を示した。ACPはlysosomeにその活性を認めた。以上の成績から羊膜上皮においては活発なCa^++代謝の行われていることが示され、同時に羊膜上皮を通じてのCa^++のtranscellular transportの行われていることが示唆された。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1987-07-01