婦人科悪性腫瘍に対する経口抗癌剤の抗腫瘍効果に関する実験的研究

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経口抗癌剤の婦人科悪性腫瘍に対する抗腫瘍効果を評癒するために、ヒト子宮体癌移植ヌードマウスを対象に、動物実験レベルで研究を行った。使用した抗癌剤はtegafur(T)とUFTで、各薬剤の長期連続投与下での腫瘍増殖抑制効果、腫瘍の生着および再発阻止効果について検討した。その結果、1)腫瘍増殖抑制効果については、大および中腫瘍に対しては、TおよびUFTともに抑制効果は認められなかった.径2〜3mmの小腫瘍に対しては、両者とも軽度の抑制効果(腫瘍抑制率(IR);T-60.0%、UFT-71.0%)がみられたが、腫瘍を縮小せしめる程の効果は認められなかった。2)TおよびUFT投与下での腫瘍生着率は、それぞれ80.0%、70.0%を示し、control(90.0%)と有意差こそ認めなかったが、UFTはある程度腫瘍の生蕃を阻止する力を有すると判断された。3)TおよびUFT投与下での腫瘍再発率は、ともに30.0%(6/20)で、control 70.0%(14/20)に比べ有意に低率であった(p<0.05)。両薬剤とも腫瘍の再発の阻止に有意と評価された。以上のような動物実験結果から、経口抗癌剤の少量持続投与は、macroscopicな腫瘍の存在下では、その効果を充分に発揮することは困難といわざるをえない。一方、microscopicな腫瘍に対してはかなりの効果が期待され、とくに腫瘍摘出後の再発防止に顕著な効果が認められた。すなわち経口抗癌剤は、一次療法後の維持療法として有用性をもつことが示唆された。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1987-01-01

婦人科悪性腫瘍に対する経口抗癌剤の抗腫瘍効果に関する実験的研究

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