ヒト正期産胎盤における adenylate cyclase, guanylate cyclase 活性の局在に関する超微形態学的研究

概要

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胎盤におけるcyclic nucleotide代謝の一端を解明する目的で、その産生系であるadenylate cyclase(AC)、guanylate cyclase(GC)活性の超微形態学的局在を、ヒト正期産胎盤において電顕酵素組織化学的に検討した。AC,GCとも、その活性の検出には、クエン酸鉛法を用いた。AC活性は主として合胞体細胞の基底側細胞膜および、胎児毛細血管内皮細胞のpinocytonic vesicleに認められた。GC活性は合胞体細胞のmicrovilliの細胞膜に強い活性を認め、AC,GC活性とも組織化学的対照実験によりその特異性を確認し、従来より胎盤内に存在することが生化学的に推定されていたAC,GC活性の局在部位を形態学的に明らかにした。以上の成績から、合胞体細胞においては、活発なcyclic nucleotide代謝の行われていることが示唆され、またAC,GC活性とも同じく合胞体細胞に存在するものの、ACは胎児側に、GCは母体側に局在することが示された。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1987-07-01