人精液中Androgen Binding Protein(ABP)のbinding capacity測定法について
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概要
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人精液中のandrogen binding protein(ABP)を検索するため,dihydrotestosterone(DHT) binding capacityの測定系を精漿および精子についてそれぞれ検討し次の結果を得た。人精漿中には4℃の一昼夜のインキュペーションでsaturation-charcoal adsorption法を用いることによりDHTに対して高親和性でかつ低結合容量の精奨蛋白(SPABP)の存在が確認された.解離定数はKd=1.63±0.38×10^<-9>M(平均値±標準偏差)で最大結合容量は275.3±24.3×10^<-12>M(平均値±標準偏差)(N=4)でこのアッセイ系のintraassay,interassayの変異係数もそれぞれ5.6%,8.4%以下であった.SPABPのDHTbindin募siteはtestosterone(80%),estradiol(75%)levonorgestrel(63%)で高い置換率を示したが,androstenediol,19-nortestosterone,norethindroneでは50%以下の置換率であった.精漿中のステロイド,特にtestosteroneのDHT binding siteについてめ影響をstrippingにより検討したが,ステロイド干渉は認められ注がった.人精子中のDHT bindingの検討ではDHTに結合した精子の分離には40×G10分間,140×G10分間,3,000×G10分聞の3段階遠心法を使用したが,この方法では精子の回収率も99.8%と良好で精子への損傷も無いものと考えられた.精子浮遊液(15×10^6cells/ml)のDHT結合への至適インキュベーション時間は1時間であったが,生化学的,物理学的に検討すると,精子へのDHT結合は非特異的で低親和性(Kd<10^<-6>M)を示しかつ結合容量も極めて高値を示した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1982-01-01
著者
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