ヒト胎児の摂取アミノ酸に関する研究
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概要
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ヒト胎児は,どのようなアミノ酸をどのような比率のもとに摂取して成長しているのかを検討するために,出生直後の新生児〓帯より,静,動脈血を採取して血漿遊離アミノ酸の静,動脈濃度差を求めた.対象は妊娠6ヵ月から妊娠10ヵ月で出生したヒト新生児29例で,測定したアミノ酸はタウリン,セリン,アスパラギン,グルタミン酸,グルタミン,プロリン,グリシン,アラニン、チロシン,オルニチン,シスチン,アルギニン,スレオニン,バリン,ロイシン,イソロイシン,フェニールアラニン,メチオニン,リジン,ヒスチジンの20種である.その結果,ヒト胎児は〓循環を介してアミノ酸を摂取するばかりでなく,一方では逆に排泄も行つており,しかもその摂取,排泄のパターンは胎児の成長に応じて著しく変化すると考えられた.すなわち,妊娠6ヵ月月から妊娠9ヵ月のヒト胎児はグルタミン酸を主に,その他セリン,オルニチンなど少数のアミノ酸を排泄するものの,アラニン,グルタミンをはじめ大多数のアミノ酸を摂取しているが,妊娠10ヵ月のヒト胎児はグルタミン酸,グリシン,セリンをはじめグルタミン,オルニチンなどを排泄しており,摂取するのは非必須のアラニンと他はほぼ必須アミノ酸のみとなる.非必須アミノ酸のアラニンは妊娠6ヵ月から妊娠9ヵ月では,ヒト胎児摂取総アミノ酸量(モル)の約20%,妊娠10ヵ月では約41%を占めた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1978-02-01
著者
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