成人T細胞白血病ウイルス (ATLV) の母児間感染について
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概要
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概要 成人T細胞白血病adult T-cell leukemia(ATL)の病因である成人T細胞白血病ウイルス(ATLV)の母見聞感染に関して、疫学調査報告に基づきその存在が推測された派実態ぱ今日まで全く解明されるに至らなかつた。今回ATLのendemic areaである沖縄において、妊婦・新生児血中のATLv associated antigen(ATLA)及びanti ATLA antibody(anti-ATLA Ab)をindirectimmunonuorescenceにて検索することによりATLVの母見聞感染を証明し、さらにその主感染経路が経母乳感染であることを強く示唆する以下の成績を得た。 1)ATLV-carrierより出生した35名の新生完済帯血中mononuclear cellsからぱATLAを検出し得なかつた。 2)また出生後1、3及び6ヵ月における延べ62例の末梢血中mononuclear cellsからも全例ATLAを検出し得なかつた。 3)しかし、出生後9〜36ヵ月において23例中19例の末梢血中mononudear cells からATLAを検出し得た。 4)新生児血清中の母体由来anti-ATLA Ab ぱ漸減し、出生後3〜9ヵ月の間に消失する派出生後12ヵ月以後の20例中10例にanti-ATLA Abの再出現が認められた。 5)12例のATLV-carrierの母乳中mononuclear cells より、全例にATLAを検出し得た。 6)さらにco-cultivationにて、母乳中ATLA-positive mononuclear cells からanti-ATLA Ab nega-tive neonate's mononuclear cellsへのATLv transmissionを12例中全例に認めた。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1986-12-01
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