妊娠ならびに多嚢胞卵巣症候群に伴う内分泌環境の変化の卵胞発育に及ぼす影響

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概要流産、満期産及ひ多嚢胞卵巣症候群(PCO)における挨形切除術後の初回排卵に至る過程を内分泌学的及ひ形態的に調べることにより卵胞発育の再開から排卵に関与する因子を知ることが出来ると考え、今回の研究を行つた。妊娠9週から13週に自然流産し3週間以内に排卵したn名の婦人においては末梢血中のホルモソ動態の推移を検討した。卵巣の形態学的検索ぱ妊娠9週、10週の各1名、妊娠40週の2名から得られた両側卵巣と4人のPCOの挨形切除て得た組織の連続切片を用いて行つた。その結果ぱ次の通りであつた。 1)妊娠初期の流産後の主席卵胞の発育ぱ血中LH・HCGの値が120mIU/mI前後に低下した時期に始まる。その頃にはFSHの有意な上昇がみられた。 2)妊娠及ひPCOの症例においても、井閉鎖卵胞は正常月経周期の黄体期後期の最大井閉鎖卵胞のレベル(4 7mm前後)まて成長している。 3)妊娠例、PCO例とも4 0mm未満の卵胞てぱ、卵胞か大きくなるにしたかつて閉鎖率は上昇する。 4)PCOにおける20≦〜<4 0mmの卵胞の閉鎖率ぱ、正常月経周期婦人又ぱ妊娠例の相当する卵胞の閉鎖率よりも有意に高い。すなわちヒトの卵胞発育ぱ、妊娠やPCOといつた特殊な環境下においても正常月経周期の黄体期後期のレベルまで成長しており、下垂体機能の回復と共にトリカーレヘルのFSHの上昇が起こり卵胞成熟か促され排卵へと導かれるものと思われる。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-12-01

妊娠ならびに多嚢胞卵巣症候群に伴う内分泌環境の変化の卵胞発育に及ぼす影響

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