Estrogen Replacement Therapyに於ける結合型エストロゲン投与法の検討 : 長期投与を行った205名の子宮内膜所見から
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概要
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Conjugated Equine Estrogen (CEE) による replacement therapyを2年以上 (最長12年)行つた205名の閉経後婦人について, CEEの投与法と子宮内膜所見との関係を検討した. CEEの投与量はすべて0.625mg/dayとし, 投与法別に3群に分けた. I群はCEEを3週間投与し, 1週間休薬して1コースとし, II群はCEE 3週間投与に引き続いて Norethindrone 10mg/dayを1週間投与し, 1週間休薬して1コースとした. これに対し, III群はCEEを暦日の1〜21日迄投与し, 同時に15〜21日迄 Norethin-drone 10mg/dayを併用し, 22日以降休薬して1コースとした. 子宮内膜の細胞診及び組織診はCEE投与前, 投与後3ヵ月目, その後は12ヵ月毎に定期的に実施した. I群 (73名, 4,327コース)からはcystic hyperplasia (CH) 2例, adenomatous hyperplasia (AdH) 8例, II群 (70名,3,936コース)からはCH 2例, AdH 14例, atypicalhyperplasia (AtH) 2例, III群(62名, 2,765コース)からはAdH 2例が発生した. 従つて endometrial hyperplasiaの発生率は, I, II, III群でそれぞれ433, 219, 1,383コースに1例の割合であつた. これらのhyperplasiaは, CEE投与中止後1〜4ヵ月ですべて消失した. carcinomaは1例も認められなかつた. 以上の結果から, III群の投与法は endometrial hyperplasiaの発生が少なく, 長期投与にも堪え得る比較的安全な投与法と考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1988-06-01
著者
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