卵巣悪性腫瘍の臨床的検討 : 特に単純性原発癌の治療と予後
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概要
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昭和46年から56年までの11年間に,千葉大及び関連病院で治療を行った卵巣悪性腫瘍391症例につき,臨床的分析を行い,特に単純性原発癌の治療法の検討を行った.1)日産婦卵巣腫瘍登録委員会分類の中間群は9.5%,悪性群は90.5%であり,悪性群のうち漿液性及びムチン性嚢胞腺癌が311例中292例(93.9%)を占めていた.2)組織型別臨床進行期分布はI期49,8%,II期12.8%,III期27.2%,IV期10.1%でI期が全症例の約半数を占めていた.3)単純性原発癌の進行期州治療法をみると,各期別において手術十化学療法が306例中174例(56.9%)と半数以上占める点が注目され,アジュパント療法として,化学療法を行う施設が増加していることが判明した.4)単純性原発癌の進行期別5年生存率はI期70.2%,II期50.O%,III期3.4%,IV期は1年以内に12症例全例が死亡した.II期以上の再発死亡症例の大多数は初回治療後2年以内であった.5)単純性原発癌の進行期別,治療別3年生存率をみると,I期(82例)では,手術のみの症例とアジュパント療法を行った郡との間に明らかな予後の差はみられたかったが,Ia期(20例)とIc期(20例)の手術+化学療法では,3年生存率が95%,65%と明らかな差がみられた.III期(39例)では,手術+放射線+化学療法の生存率は50%,手施+化学療法は33.3%であるが,手術+放射線及び手術のみの症例は全例死亡した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1984-04-01
著者
-
関谷 宗英
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部産婦人科
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部
-
関谷 宗英
千葉大学医学部産婦人科
-
岩沢 博司
千葉大学 産婦人科 中検
-
岩沢 博司
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
海賓 てる代
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
海宝 てる代
千葉大学医学部産科婦人科学教室
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