子宮体癌の再発管理に血中CA125値は有用か?

概要

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現在, 有用な腫瘍マーカーが存在しないといわれている子宮体癌において, 両側卵巣摘出婦人, 閉経後婦人の血中CA125値は一般に低値であるとの報告をふまえ, そのcutoff値の設定を配慮し, 血中CA125値による治療後再発管理について検討した. 対象は子宮体癌42例で経過良好群22例, 再発群10例, 中間群10例の3群に分類した. 1) 経過良好群22例の検討では術後1ヵ月以内ではむしろ術前より高値を示す例が検討し得た12例中5例に認められた. 2) 術後2ヵ月以降の延べ151回の血中CA125値のfollow-up値のmean±S.D.は9.7±3.6U/mlであり, 17U/mlを再発判定のcutoff値とした. 3) 経過良好群の延べ151回の血中CA125値測定では17U/ml未満であるか, 一時的に17U/ml以上を示した場合でも連続した上昇は示さなかった. 4) 再発群10例は, その臨床的意義から, 6ヵ月以内の癌死4例, 13〜14ヵ月の癌死2例, 2〜5年での再発癌死4例の3群に分類して検討を行った. 13〜14ヵ月の癌死例では治療前血中CA125値の高値が持続し, 治療によっても著明には下降しない傾向があり, 2〜5年の再発癌死例の再発確認時点での血中CA125値のmean±S.D.は157.3±158.3U/mlで, 最高値377U/ml, 最低値28U/mlで我々がすでに報告している閉経後リンパ節転移判定のcutoff値である32U/mlも考え合わせ, 32U/ml以上は臨床的にも確認できる再発の可能性が極めて高いと考えられた. 5) 以上血中CA125値(U/ml)<17, 17〜32, ≧32をそれぞれ再発のlow risk群, moderate risk群, high risk群と設定し, 子宮体癌における血中CA125値による再発管理の指針案とした. これにより再発確認時点より2〜3ヵ月早く再発を疑い得る可能性が示唆された.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1995-09-01

子宮体癌の再発管理に血中CA125値は有用か?

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