小児腹腔鏡下手術の術後侵襲

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目的 : 小児腹腔鏡下手術の手術侵襲を, 術後のサイトカイン値の推移や臨床所見などより, 総合的に検討する.方法 : 1997年7月より1999年1月までの期間に, 当院において実施した小児内視鏡下手術114例のうち, 肥厚性幽門狭窄症25例, 食道裂孔ヘルニア(含, 胃食道逆流現象 : GER)13例, 急性虫垂炎21例を対象とした.これら症例の術前術後のinterleukin-6, CRP, CPK, 白血球数の推移を, 同期間中に従来の開腹術にて同様の手術を実施した対照群と比較検討した.また手術時間, 術後の経口摂取開始時期, 入院期間, 術後合併症などの臨床のパラメーターについても同様に比較検討した.結果 : interleukin-6, CRP, CPK, 白血球数は, 腹腔鏡下手術, 開腹術ともに術後第1病日に有意に上昇し, 第4病日に低下したが, 両手術群間での有意差は観察されなかった.手術時間は腹腔鏡下手術群で延長する傾向にあったが, 経口摂取の開始時期, 入院期間はともに腹腔鏡下手術群で有意に早く, 腹腔鏡下手術の利点が観察された.結論 : 免疫学的検討では有意差は観察されなかったものの, 術後のQOLの改善において腹腔鏡手術は有用であった.術中・術後合併症の軽減に努めることにより, 腹腔鏡下手術は小児領域においても今後さらに適応を拡大し, 発展していくものと予想される.
日本小児外科学会の論文
1999-10-20

小児腹腔鏡下手術の術後侵襲

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