超重元素の化学的研究(<特集>超重元素の科学とその展望)
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概要
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原子番号が100を超すような非常に重い元素は, マクロ量で世の中に存在することはなく, その化学的性質は, 加速器を使って合成しつつ, 1個1個の原子を対象に調べることになる.それゆえ, 現在でも未知の領域であり, 普通の「化学」を議論できるレベルのデータはほとんどない.しかし最近, 理化学研究所(理研)の113番元素の合成で象徴されるように, 超重元素といわれる領域の研究が盛んになっており, その化学的研究も本格化してきた.本稿では, まず, 相対論効果により大きく変更されるかもしれない, 元素の周期表のこの最終端領域の化学的研究について簡単に説明する.次に, 世界の研究の現状と併せて, 最近, 日本原子力研究所(原研)で見出された104番元素ラザホージウム(Rf)の興味ある化学的性質を中心に, 世界のトップレベルに達しつつある我が国の超重元素に関する化学的研究の現状と将来を概観する.
- 2005-09-05
著者
-
篠原 厚
Graduate School of Science, Osaka University
-
篠原 厚
大阪大学大学院理学研究科
-
永目 諭一郎
原研
-
永目 諭一郎
原子力機構
-
永目 諭一郎
日本原子力研究開発機構 先端基礎研究センター
-
永目 諭一郎
日本原子力研究所アイソトープ部
-
塚田 和明
日本原子力研究所・先端基礎研究センター
-
篠原 厚
大阪大学
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