銀河中心核のブラックホール
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概要
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渦巻銀河NGC4258からの波長1.3cmの水メーザー線を, 超長基線干渉計(VLBI)で観測した結果, その中心核に高速で回転する直径0.5pcの分子円盤が発見された. この回転運動をくわしく解析した結果, 回転の中心に太陽の3,600万倍の質量の重力源が存在し, それはブラックホールである可能性が非常に強いことが示された. 一方, X線天文衛星「あすか」は, 活動銀河MCG-6-30-15のX線スペクトル中に, 大きく非対称に広がった鉄の特性X線を見出した. その輝線プロファイルは, ブラックホールのごく近傍での回転運動による, 相対論的Doppler効果でよく説明され, X線を出す物質が非常に強い重力の中に存在することが強く示唆される. これら電波とX線の観測結果は, 活動銀河中心核の巨大質量ブラックホール存在の仮説に非常に強い観測的証拠をもたらした.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 1997-03-05
著者
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