児童の自己認識の発達 : 児童の作文の分析を通して
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概要
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自己認識の発達を明らかにするために11人の小学生の作文を1年生から5年生まで追跡し,分析してみた。その結果,次のようなことが明らかになった。(a)自己の認識は,他を媒介として可能になる。(b)自己の認識は,はじめは外面的なもの(行動)の認識にとどまるが,次第に内面的なもの(意識内容)の認識が可能になる。(C)自己の認識は,まず現在の自己の認識から始まり,ついで,過去の自己の認識が可能となる。その結果,変化するものとして自己を認識することができる。(d)自己の認識は,個人としての他を媒介として始まるが,次第に,集団としての他を媒介にして深まり,そして,集団の中の個としての自己の認識へと進む。
- 日本教育心理学会の論文
- 1972-12-31
著者
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