学業成績の規定要因としての学習指導法に関する実験的研究
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概要
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学業成績を規定する要因として学習指導法がいかなる意味をもつかを研究するために,ほぼ等質の2学級について,一方の組には問答法中心の指導法を,他の組には班別学習中心の指導法を実験的に実施した結果は,次のように要約することができる。(1)両組の学業成績において,概括的には差は塵少であるけれども,評価内容を知識固技能および態度に区分して見ると班別学習中心の組は,技能および態度において,テストの同数を重ねるほど優れてきている。これは両指導法における動機づけの性質,学習方法の相違にもとづくものであると思われる。(2)両指導法は狭義の学業成績に質的差異をもたらすだけでなく,児童の全体的行動にも変化をもたらし,班別学習では自律的,協力的傾向を,問答法では他律的,利己的傾向を助長する。(3)教材の内容の性質によって両指導法の学業成績への効果を異にする。班別学習は形式的,表面的な内容の学割こは適するが,内面的なものの学習には効果をおらわすことが困難である。これに反して,問答法では内面的,本質的た内容においてよい効果を挙げうる。(4)班別学習では学習への不参加者を発生しやすく,このために学業成績の低下をきたす児童が生ずる傾向がある。
- 日本教育心理学会の論文
- 1963-06-30
著者
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