要介護個人情報の保護と利用の現状
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概要
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高齢者介護問題の対策として介護保険制度が導入されたが, この制度の実施の中で要介護個人情報の保護と利用が不完全である.本人の同意を得ない個人情報の第3者への提供は禁止されているが, 同意に基づく第3者への個人情報の提供は, 適切な介護のために個人情報を積極的に利用するという面に配慮したものではない.本論文では, 要介護個人情報の拡散の傾向を明らかにし, 要介護個人情報の保護と利用に関する基本的問題を指摘し, 新たな視点から, 自己情報利用の同意を前提とした「評価基準(システム)」を提案するものである.要介護個人情報の拡散の検討では, 「介護の程度」情報と「感染症の有無」情報について, 要介護個人情報を保護と利用の観点から議論する.その上で, 評価基準(システム)の必要機能を検討し, 中心となる情報利用の評価機能の「客観的な基準に基づく評価」の内容を示し, 本人への利得の範囲内で個人情報の利用を許容する柔軟な評価(システム)の必要性を提案する.
- 2005-03-31
著者
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