茶樹園におけるカンザワハダニTetranychus kanzawai Kishida(蛛形綱,ダニ目,ハダニ科)の個体群に関する一研究
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概要
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The number of eggs, larvae, nymphs and adults of Tetranychus kanzawai on the fresh leaves of tea were examined at the tea plantations in Takase-cho, Kagawa Prefecture during the two months of June and July in 1980. The densities of mite populations varied with the tea garden surveyed. The densities in high level were observed in the tea gardens which had no facility of the sprinkler system. The most highest peak of occurrence of the mite was observed in mid-June and after that time the densities of the mite decreased rapidly as the results of the spray of pesticides and setting in the rainy season. Within the mite population the eggs were the major part of the populations on the basis of the number. Each number of adults, nymphs and larvae was far less than that of eggs in order. By analyzing the frequency distribution of the number of individuals of mites on a leaf of tea the patterns of spacial distribution of the mite populations were made clear to show marked over dispersion however the degrees of that distribution became lower with the progress of development of the mites. From m-m regression analysis the fundamental size of each coloy of egg, larva, nymph and adult was estimated to be 10, 1<, 1<, and 1 respectively.香川県高瀬町所在の茶樹園を調査現地とし, 1980年6月と7月の2箇月間, カンザワハダニT.kanzawaiの卵, 幼虫, 若虫, 成虫それぞれの茶樹生葉上における生息個体数を調べた. カンザワハダニの生息密度は調査園によって異なった. 密度が最も高かったのはスプリンクラーが設置されていない園であった. 調査期間中のカンザワハダニの発生は6月中旬に最高のピークに達し, 生息密度はその後殺虫或いは殺ダニ剤の散布や入梅によって急激に低下した. その数の多さからいえば, カンザワハダニ個体群の主要構成部分は卵であった. 成虫, 若虫, 幼虫の個体数はその順に卵よりもはるかに少なかった. 茶葉1枚上のカンザワハダニの生息個体数を解析した結果, 本種の葉当り個体数の分布は高度の集中型分布であること, しかし, その集中性の程度は発育の進行に伴って低下することがわかった. また, m-m回帰分析によって, 本種の卵, 幼虫, 若虫, 成虫それぞれのコロニーの基本的なサイズは10, 1<, 1<, 1であることが推定された.
- 香川大学の論文
- 1983-03-19
著者
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