Ipomoea triloba L.のプロトプラストからの植物体再生
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概要
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Ipomoea 属 batatas節植物はサツマイモ(I.batatas(L.)LAM.)との交雑親和性によって二つの群に分けられる.第II群に属する近縁野生種はサツマイモと交雑木可能なためにサツマイモ育種へ利用されていない.この交雑不親和性を克服するために体細胞融合法を利用する場合,プロトプラストからの植物体再生条件を確立しておくことは極めて重要である.これまで第I群植物のプロトプラストからの植物体再生条件は報告されているが,第II群植物のプロトプラストからの植物体再生はまだ報告されていない.本研究では,第II群に属する2倍体の近縁野生種I.triloba L.のプロトプラストからの植物体再生に成功した.I.triloba L.の無菌植物を供試材料とした.培養3週目の無菌植物の若い茎及び葉柄(約1g生重)を細切し,0.2%マセロザイムR-10, 0.4%セルラーゼオノヅカR-10, 0.6MD-マンニトール,0.5%CaCl_2・2H_20及び5.0mMMESを含む10ml酵素液(pH5.8)で,27℃,暗黒下で16時間処理した.処理後0.4mm網目のステンレス筋でろ過し,20%ショ糖液上に懸濁し,350xg,10分間遠心をかけた.精製したプロトプラストをW_s液で2回,その後プロトプラスト培養培地で1回,200xg,4分問遠心をかけて洗浄した.(Fig.1A).プロトプラストの培養は,1-2×104個/mlの密度で,50.0mg/lカゼイン,0.6MD-マンニトール,1.0%ショ糖,0.5mg/l2,4-D及び1,0mg/lkinetinを含む修正MS液体培地(pH5.8)で,27℃,暗黒下で行った.培養3-4日目に最初の細胞分裂が見られた(Fig.1B).
- 日本育種学会の論文
- 1991-03-01
著者
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