ハッサク果のこはん症の発生に及ぼす貯蔵温度およびポリエチレンフィルム個装の影響
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概要
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ハッサク果のこはん症の発生に貯蔵温度およびポリエチレンフィルム個装が及ぼす影響を明らかにするため本研究を行った.今回は主に果実を5℃で長期間貯蔵し, 5℃以上の温度へ変温後のこはん症の発生並びに温度感応について明らかにすると共に, ポリ個装による防止効果についても併せて明らかにした.5℃から10, 15, 20, 25, 30および35℃へ変温したが, 5℃と35℃ではこはん症の発生は認められず, 10℃から30℃でこはん症の発生が認められた.5℃から15℃および25℃に変温したがこはん症の発生には変温した温度によって時間的ずれがあった.すなわち, 変温後の温度が高いほど早くこはん症が発生した.また20℃でのこはん症の発生は24時間後から48時間後に認められ, 96時間以後では認められなかった.20℃処理でこはん症の発生しない果実を, 5℃と20℃の繰り返し変温処理を行ったが, こはん症の発生は認められなかった.ポリ個装果実はこはん症の発生が抑制された.特に, 収穫と同時にポリ個装するとこはん症の発生が著しく防止できた.20℃処理中にポリ個装を除袋した場合は5時間後ではこはん症の発生が認められたが, 32時間後ではこはん症は発生しなかった.ハッサク果のこはん症の発生とCO_2の排出量との関係を明らかにした.5℃から20℃へ変温した場合, 呼吸量は急激に増加しその後一定の値となった.5℃でポリ個装して長期間貯蔵した果実ではCO_2排出量が対照果の10倍以上であった.次に, ポリ袋内の温度並びに相対湿度を測定した.温度にはあまり差がなかったが, 相対湿度は95%から100%を示した.果実の減量割合ではポリ個装で著しい減量防止効果を示した.ABA含量はポリ個装でやや少なかった.ハッサク果実1個当たりの気孔数は約80万個で, こはん症発生部の気孔は開いていた.
- 2001-05-15
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