タンゴール'清見'果実のこはん症の発生原因
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概要
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'清見'果実のこはん症の発生に及ぼす原因を明らかにすると共にその防止対策を確立する目的で本研究を行った.'清見'の貯蔵中の果実に発生するこはん症は,果実が樹上で受けた日射並びに日照が原因の一つであることを初めて明らかにした.すなわち,収穫時には肉眼的にみて健全な果実であるが,果実が樹上で受けた果面の陽光部に,貯蔵中にこはん症が発生し,日射を受けていない日陰の果実ではその発生がほとんど認められなかった.陽光部の果面温度は同じ果実の日陰部のそれより10℃以上高かった.快晴の日における果実からの蒸数量は陽光却で日陰部の3倍,夜間でも25%も高かった.このことから陽光部の蒸散量とこはん症の発生は密接な関係があるものと思われた.果皮の陽光部と日陰部における無機成分含量には有為な差は認められなかったが,デンプン含量と全糖含量はわずかであるが陽光部のブラベドで高かった.果皮のa^*値およびカロチノイド組成については,こはん症の発生した陽光部でわずかながら高かった.観察の結果,陽光部の果皮表面は滑らかであるが日陰部の果面は油脂と油脂の聞か陥没した粗い果面であり,果面の滑らかな部分に主にこはん症が発生し,果面の粗い果実にはその発生が少なかった.
- 園芸学会の論文
- 2003-07-15
著者
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