数種野菜実生の根におけるペクチン質と arbuscular 菌根菌感染との関連
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概要
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野菜栽培へのarbuscular菌根菌(AM菌)の利用を目的として, 感染率の高い接種技術を確立するため, アスパラガス(Asparagus officinalis L. var. altilis), ネギ(Allium fisturosum L.)およびハクサイ(Brassica campestris L.)の実生の根におけるペクチン質とAM菌感染との関連について調べた.根組織中のペクチン質含量は, AM菌の感染が困難であるアスパラガス貯蔵根, アスパラガスおよびネギ根端部, ハクサイ第2次側根および主根で比較的多く, これに対して, 感染が容易であるアスパラガス第1次吸収根, ネギ第1次側根および主根では少ないことがわかった.一方, ルテニウムレッド染色法によりペクチン質の局在を調べたところ, アスパラガス貯蔵根皮層部, ハクサイ第2次側根皮層部およびアスパラガスの根端部では反応が強く現れ, アスパラガス第1次吸収根, ネギ主根の皮層部では比較的弱かった.根組織の中層および1次細胞壁が厚い組織では, ルテニウムレッド反応が強く現れた.アスパラガス貯蔵根ならびにハクサイ側根の組織では, 中層が厚くペクチン質が多く存在しており, 感染が困難であったが, 菌(Gigaspora margarita)接種前にペクチナーゼで処理すると, 感染が認められるようになった.このように, 宿主根組織中のペクチン質とAM菌感染との間には密接な関連のあることが明らかになった.
- 園芸学会の論文
- 1998-03-15
著者
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