極大粒多収型イネ品種の登熟特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
極大粒多収型イネ品種の豊熟特性を調査した.はじめに粒大の大きく異なる8品種を用い籾幅と玄米幅の関係をみたところ,籾幅が4.4mmを越えた場合,玄米幅は3.6mmを限界値としそれ以上の値を示さなかった。そのため籾幅が4.4mm以上の極大粒型品種では玄米の肥大が十分でなく,その結果,豊熟(籾摺歩合)が劣った.一方,大粒多収型の北陸130号は籾幅が4.1mmであり,供試8品種中最大の籾摺歩合を示した.北陸130号は,同熟期の黄金晴に比較し籾数が34〜40%少なかったが,玄米1粒重は85〜89%重く,豊熟歩合は同程度であり,収量は明らかに高かった.また北陸130号は,豊熟のよい一次枝梗粒の割合が著しく高く豊熟歩合は一般の品種並に良かった.以上のことから北陸130号は,一穂粒数が少たく一次枝梗粒の割合が高いためと,大粒であるが豊熟が劣るほどは籾幅が広くないために豊熟の良いことが明らかになった.
- 日本育種学会の論文
- 1988-12-01
著者
関連論文
- イネの穂による遮光とその品種間差異
- イネ品種交配における高夜温処理による開花,葯裂開の促進
- イネの葉の老化とサイトカイニン及びツマグロヨコバイ耐虫性の関係
- 暖地イネ品種における巻き葉特性による受光態勢の改良とその系譜
- 極大粒多収型イネ品種の登熟特性
- アメリカ稲と日本稲の直播苗立ちの差異
- インド型イネと日本型イネにおける籾殻重歩合の差異