アジアにおけるイネ白葉枯病抵抗性主要品種群のアイソザイム遺伝子型
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概要
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アジア栽培イネにはJava14群(Xa-3),TKM6群(Xa-4),DZ192群(Xa-5),Cas209群(Xa-10)の白葉枯病抵抗性群が広く分布する。近年我々は,TN1群(Xa-14)が第5番目の群としてアジアに分布することを見い出した。これら品種群の分化は,Glaszmann(1987b)のアイソザイム分類と密接に関連することがわかりつつある。白葉枯病抵抗性群のアイソザイム遺伝子型をさらに検討する目的で,アイソザイム型を構成する対立遺伝子の出現頻度と5遺伝子座の対立遺伝子組み合わせについて分析した。その結果,可能な組み合わせ中67組み合わせのみが観察された。各群の特徴と考えられるアイソザイム遺伝子型(仮)をまとめると,Java14群ではVI-1型がほとんどで,特にAmp-1^1とAmp-1^2を合わせもつ品種が多かった。これに対し,DZ192群ではAmp-1^1とAmp-2^2を持つII-1型がほとんどであった。新たに加えられたTN1群は,I-1,I-2型とVI-1型で構成されることがわかった。I-1,I-2型は,TKM6群,Cas209群,Mond-Ba亜群に共通して高い頻度で観察されたが,TKM6群では中間型であるIM-1,IM-2型が高頻度である点が異なった。Cas209群とMond-Ba亜群に関しては,ミャンマーの品種で指摘された(Endo et al 1997)ように,Amp-1^4を持つI-4,I-5型の出現頻度が,TKM6群に比べて高かった。イネ白葉枯病抵抗性群は,当初から分類を目的とした訳ではなく,抵抗性遺伝子のスクリーニングの結果自然に生まれた品種群である。分析に用いた抵抗性遺伝子座とアイソザイム遺伝子座は特に遺伝的連鎖関係にはない。これらの結果から,異なるイネ白葉枯病抵抗性遺伝子を持つ品種群は,原始段階からのイネ生態型分化の側面を示すものであると考えられた。
- 1997-09-01
著者
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小川 紹文
九州農業試験場
-
遠藤 昇
大成建設生工研
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遠藤 昇
(社)国際環境研究協会
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小川 紹文
宮崎大学農学部
-
Endo Noboru
Biotechnology Research Center Taisei Corporation
-
Ogawa Tsugufumi
Kyushu National Agriculture Experiment Station
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Ogawa T
Kyushu Agricultural Experiment Station Kumamoto Jpn
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