スイートピーの巻きひげ形質と連鎖したSCARマーカーの開発
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
スイートピー(Lathyrus odoratus L.)の切り花用品種「グレース」と巻きひげが無い露地栽培用品種「スヌーピー紫」の交雑F_2集団において,巻きひげの有無について調査した.その結果,巻きひげのある形質は優性の〓遺伝子座支配であった.巻きひげ形質と連鎖したRAPDマーカーを開発するため,バルタ法により302種類のランダムプライマーを用いRAPDを検索したところ,2種類のプライマー,WB32およびWB67でDNA多型が確認された.WB32では巻きひげのあるバルタで特異的なDNA断片が増幅され,WB67では巻きひげの無いバルタで特異的断片が検出された.交雑F_2集団において,これらのRAPDマーカーの有無と巻きひげ形質の関係について調査した結果,WB32では巻きひげ形質との連鎖が確認されたが,WB67では確認されなかった.そこで,WB32で検出された多型DNA断片(1kb)をクローニングし,塩基配列情報に基づき,特異的プライマーを合成した.このプライマーでは,RAPD分析から期待された優性バンドSWB32aが巻きひげ有り個体で明確に増幅された.F_2集団において,SWB32aと巻きひげの有無について調査した結果,SWB32aと巻きひげ遺伝子座は地図距離7.7cMで連鎖していることが確認された.今後,このSCARマーカーはスイートピー育種において巻きひげの無い切り花用品種を育成する際の選抜マーカーとして有用であると考えられる.
- 日本育種学会の論文
- 2003-03-01
著者
-
平井 正志
京都府立大農学部
-
花田 裕美
和歌山県農林水産総合技術センター暖地園芸センター
-
平井 正志
京都府立大学・農学部
-
花田 裕美
和歌山県農林水産総合技術センター・暖地園芸センター
-
花田 裕美
和歌山県農林水産総技セ 暖地園芸セ
関連論文
- (194)キュウリモザイクウイルス複製酵素遺伝子部分配列のトマトへの導入(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ジゴキシゲニンを利用した RAPD 法 (DIG-RAPD) によるスイートピー (Lathyrus odoratus L.) の類縁関係
- 'メロン中間母本農4号'がもつ短側枝性のQTL解析
- キュウリうどんこ病抵抗性のQTL解析
- SSRマーカーを用いたメロン連鎖地図の作成
- トウガラシ属植物のPMMoV抵抗性遺伝子(L^4)に連鎖したDNAマーカー
- メロン(Cucumis melo L. )におけるマイクロサテライトマーカーの開発と主要ウリ科作物への適用
- メロン(Cucumis melo L. )におけるマイクロサテライトマーカーの開発II : マイクロサテライトマーカーのCucumis属への適用
- ハクサイ根こぶ病抵抗性に連鎖したSSRマーカーの開発
- ナスにおけるRAPD, AFLPマーカーを用いた果型および発色形質のマッピング
- Brassica rapaにおけるマイクロサテライトの単離
- ニンニク遺伝資源のDNA多型による分類
- サツマイモ L-ガラクトノラクトンデヒドロゲナーゼ遺伝子の発現
- ブルーベリー近縁種, ナガボナツハゼおよびアラゲナツハゼ野生集団の遺伝変異
- 登熟温度と莢の低温処理がエンドウの開花に及ぼす影響
- 種子の登熟温度がエンドウの開花、生育に及ぼす影響
- スイトピー新品種'オーロラ・ブルー'の育成経過と開花特性
- スイトピーにおけるRAPD法による品種分類の可能性の検討
- キヌサヤエンドウの新系統'4-1'の育成とその特性
- シシトウガラシの組織培養による増殖法の開発 : (第1報)茎切片の培養による効率的増殖法の開発
- スイートピーの巻きひげ形質と連鎖したSCARマーカーの開発
- スイートピーの巻きひげに関するDNAマーカーの開発
- スイートピーと宿根スイートピーの RAPD 分析による類縁関係の解析
- スイートピー新品種'紀州ピー1号'(通称'ブライダルピンク')の育成経過と特性
- スイートピー新品種'ブライダル・ピンク'の育成経過および特性
- スイートピー新品種'紀州ピー2号(通称:キャンドル・ピンク)'と'スイートルージュ'の育成経過および特性
- 宿根カスミソウ茎頂組織の vitrification 法(ガラス化法)による超低温保存
- シュッコンカスミソウ茎頂組織のガラス化法による凍結保存
- 野菜・花き育種におけるDNAマーカーの利用